Perspective

移動のエネルギーがなくなる未来

世界の温室効果ガス排出量の8%をグローバルツーリズムが占めているとする研究論文が、学術誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)」に掲載された。
数兆ドル規模に上る観光業界において二酸化炭素(CO2)の排出量は急速に増えており、エネルギーを多く使う航空旅行がその要因の大部分を占めているという。
そんな中「飛行機は温室効果ガスを多く排出するので地球の為に乗らない」という選択をする人が増えている。


“Flight shame”

”飛行機に乗ること(=環境破壊に加担すること)を恥とする”


という意識が広がっているのだ。

この意識を広めたのはスウェーデンの16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんの活動だ。彼女は15歳で気候変動への対応を訴え、スウェーデン議会の前で一人座り込みを開始した。その様子はSNSで拡散され、活動に賛同した若者を中心に参加者を増やしていった。(Fridays For Future)

国連の温暖化対策サミットで行った怒りのスピーチでも注目を集めた。そんな彼女は環境のために飛行機利用を拒否し、気候変動の会議や講演参加の際にはソーラーパネルとタービンを備えたCO2排出ゼロのヨットや列車を利用しているという。

彼女の地球に対する思いは広く共感され、飛行機の利用を避けるという意識が広がっている。

ただ日本のような海に囲まれた島国や一刻も早く目的地に着きたい人に飛行機を使わないでということは難しく思います。
そもそも何故飛行機に乗るのか?観光かビジネスか家族に会いに行くためなのか?
その目的は世界各国で運用がスタートされる5Gというテクノロジーが変えてくれるかもしれません。

次世代ネットワークの「5G」とは第5世代移動通信システムの略称で、スマートフォンなどの通信に用いられる通信規格の一つです。特徴として高速・大容量・低遅延・多数同時接続があります。
今後5Gで出来ることは増えていくでしょう。
例えば、4Kや8K画質のテレビ会議を遅延なくストレスなく行う事ができたり、VR空間でホログラムを用いてプレゼンできたり。実際にその場にいないと伝わらないと思われていたニュアンスの部分も距離を超えて意思疎通が可能になります。距離の制限も無いので海外まで会議、視察の為に赴く必要も減りそうです。

観光の分野ではテレイグジステンスという技術ができていて、専用のヘッドセットとグローブを装着すると観光地に設置されているロボットと繋がれて、風景や音、手で触れた感触までも体験できます。遠隔旅行ができるようになるのです。
もともとは身体が不自由な方向けに開発されたものですが、疑似旅行体験は一般的にも普及していきそうだ。今後は手先の感覚だけでなく全身でアクティビティを疑似体験することも可能になると思われる。同時接続でその感覚を友達とも共感できる。

そんなことしたら人間同士のつながりや経験、リアルなモノを見て感動する心などの大切なものを得られないという意見もかならずあると思います。
人と会う必要性がなくなり外に出る必要性がなくなったら人間は内向的になり、引きこもりがちになるかもしれません。

ただ一つの選択肢として、今までは現地に行かなければできなかった仕事や体験の代替としてテクノロジーを使ってもいいのかなとも思います。
産業革命以降の人間の生活は便利になっていきました。それと引き換えに環境汚染は深刻に進行しています。

私たちが環境の寿命を犠牲にして手に入れた便利なテクノロジーを今度は環境を守るための選択肢として使っていくのはどうでしょうか?

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